茶の備忘録
9月に使える茶杓の銘
9月に使える茶杓の銘の一覧です。白露、秋分、重陽、菊、月見、虫の音など秋の茶席にご活用ください。
9月は、朝夕の空気に秋の気配がはっきりと立ち、菊や月、虫の音が茶席に深い季節感を添える頃です。茶杓の銘にも、重陽の節句、名月、秋草、夜の静けさを映す言葉がよく合います。
二十四節気から生まれる銘
白露(はくろ)
- 草花に白い露が宿り、秋の気配が深まる頃
- 白菊、朝露、月影、虫の音など、澄んだ印象の銘につながる
秋分(しゅうぶん)
- 昼と夜の長さがほぼ等しくなり、秋が本格化する節目
- 十五夜、残月、武蔵野、砧など、夜や秋景色を思わせる銘に合う
9月の五節句と風物詩
重陽(ちょうよう)
- 9月9日の五節句。菊の節句とも呼ばれる
- 菊重、菊寿、着せ綿、白菊、菊日和など、菊にまつわる銘を選びやすい
月見
- 中秋の名月を中心に、月を愛でる季節
- 十五夜、十六夜、立待月、居待月、寝待月、更待月など、月の満ち欠けを銘にできる
9月初旬に使える銘
菊重(きくがさね)
- 重陽の節句にふさわしい、菊を重ねる華やかな銘
菊寿(きくじゅ)
- 長寿を願う菊のめでたさを表す銘
着せ綿(きせわた)
- 重陽の前夜、菊に綿をかぶせて露と香りを移す風習から
白菊(しらぎく)
- 清らかで静かな秋の茶席に合う銘
菊日和(きくびより)
- 菊が美しく咲く、穏やかな秋の日を思わせる銘
吟風(ぎんぷう)
- 詩を詠みたくなるような、澄んだ秋風の趣
金風(きんぷう)
- 秋の風を雅に表す言葉。初秋の茶席に使いやすい銘
夕月夜(ゆうづきよ)
- 夕暮れに月が出ている、やわらかな秋の夜の銘
待宵(まつよい)
- 名月の前夜を待つ心を表す銘
9月中旬から下旬に使える銘
月の雫(つきのしずく)
- 月の光や露を思わせる、清らかな印象の銘
月の宿(つきのやど)
- 月が宿るような、静かな夜の景色を映す銘
十五夜(じゅうごや)
- 中秋の名月に使いやすい代表的な銘
十六夜(いざよい)
- 十五夜の翌日の月。十五夜よりやや遅れて出てくる月を表す
- ためらうように遅れて出るという意味があり、名月の余韻を残す茶席に合う
立待月(たちまちづき)
- 十七日目の月の異名
- 「今か今かと立って待つうちに月が出る」といわれたことから名付けられた
居待月(いまちづき)
- 十八日目の月の異名
- 居間などに座って月が出るのを待つという意味の名前で、穏やかな夜の茶席に合う
寝待月(ねまちづき)
- 十九日目の月の異名
- 月の出が遅く、寝て待つうちに月が出るという意味があり、夜更けの静けさを添える
更待月(ふけまちづき)
- 二十日目の月の異名
- 月の出が遅く、夜更けまで待ってようやく出てくるという意味がある
残月(ざんげつ)
- 夜明け方まで残る月。余韻のある茶席に
三日月(みかづき)
- 細い月の姿をそのまま銘にした、端正な言葉
月影(つきかげ)
- 月の光、または月そのものを表す古風な銘
鈴虫(すずむし)
- 秋の夜に響く澄んだ虫の音を表す銘
松虫(まつむし)
- 鈴虫とともに、秋の夜の音を添える銘
赤蜻蛉(あかとんぼ)
- 秋の野を飛ぶ赤とんぼ。親しみやすい季節の銘
武蔵野(むさしの)
- 秋草や月を思わせる広い野の景色を表す銘
砧(きぬた)
- 秋の夜、衣を打つ音を思わせる古典的な銘