茶の備忘録

10月に使える茶杓の銘

10月に使える茶杓の銘の一覧です。寒露、霜降、後の月、時雨、秋晴、落穂など晩秋の茶席にご活用ください。

10月に使える茶杓の銘

10月は、朝夕の冷え込みが増し、露や霜、秋風、十三夜の月、紅葉や実りが茶席に深い趣を添える頃です。茶杓の銘にも、寒露、霜降、後の月、時雨、秋の暮など、晩秋へ向かう気配を映す言葉がよく合います。

二十四節気から生まれる銘

寒露(かんろ)

  • 草木に宿る露が冷たく感じられ、秋の冷気が深まる頃
  • 朝寒、夜寒、露時雨など、澄んだ冷たさを感じる銘につながる

霜降(そうこう)

  • 露が霜へと変わり、秋の終わりが近づく頃
  • 末枯、秋の暮、時雨など、晩秋のしみじみとした銘に合う

10月の風物詩

後の月(のちのつき)

  • 旧暦9月13日の月を指し、十三夜とも呼ばれる
  • 十五夜の名月とはまた違う、落ち着いた月の趣を茶席に添える

秋の深まり

  • 風の冷たさ、時雨、紅葉、稲の収穫など、晩秋の景色が重なる頃
  • 龍田姫、落穂、野分、二季鳥など、自然や古典の情景を銘にしやすい

10月初旬に使える銘

稍寒(しょうかん)

  • 秋が深まり、少し寒さを感じ始める頃の銘
  • 寒露の頃の、肌に触れる涼しさを静かに表せる

朝寒(ちょうかん)

  • 朝に感じる冷え込みを表す銘
  • 澄んだ空気の中で始まる、秋の稽古や朝の茶席に合う

夜寒(よかん)

  • 夜に強く感じる寒さを表す銘
  • 秋の夜長の静けさや、灯りの温かさを引き立てる

後の月(のちのつき)

  • 旧暦9月13日の月。十三夜の月を指す
  • 名残の月を愛でる、落ち着いた秋の茶席に使いやすい

雁渡し(かりわたし)

  • 雁が渡る頃に吹く、秋の冷たい風を表す言葉
  • 空の高さや旅鳥の気配を感じさせる銘

金風(きんぷう)

  • 秋風を雅に表す言葉
  • 黄金色に染まる秋景色や、澄んだ風の趣を添える

秋晴(あきばれ)

  • 秋に見られる、澄みきった晴天を表す銘
  • 空気が澄んで空が高く見える日の茶席に合う

落穂(おちぼ)

  • 収穫のあと、田に落ちて残った稲の穂を表す言葉
  • 実りへの感謝や、取り残されたものへの慈しみを込められる

浦の苫屋(うらのとまや)

  • 海辺にある粗末な苫葺きの小屋を思わせる銘
  • 秋風の寂しさや、旅情を含んだ静かな茶席に合う

吊るし柿(つるしがき)

  • 渋柿を軒先などに吊るして干す、秋から冬への風物詩
  • 実りの季節と、冬支度の温かさを感じさせる銘

10月中旬から下旬に使える銘

時雨(しぐれ)

  • 晩秋から初冬にかけて、降ったり止んだりする雨
  • 移ろいやすい空模様と、しみじみとした情緒を表す銘

露時雨(つゆしぐれ)

  • 露が一面に降り、時雨が降ったように見える様子
  • 秋の朝のしっとりとした景色を茶席に映せる

龍田姫(たつたひめ)

  • 秋を司る女神とされ、紅葉を染める存在として知られる
  • 山々が赤や黄金に染まる頃の、華やかな秋の銘

砧(きぬた)

  • 布を打って柔らかくする道具、またはその音を表す言葉
  • 秋の夜に響く音として、古典的な寂しさを添える

野分(のわき)

  • 秋の強い風が、野の草を分けるように吹くこと
  • 嵐のあとの静けさや、季節の荒々しい移ろいを表す

二季鳥(にきどり)

  • 雁の別名。秋に来て春に帰る鳥とされる
  • 渡り鳥の旅情や、季節をまたぐ時間の流れを感じさせる

蓑虫(みのむし)

  • 枝に蓑をまとったようにぶら下がる虫を表す銘
  • 秋の寂しさや、ひっそりとした風情を茶席に添える

小倉山(おぐらやま)

  • 京都・嵯峨の紅葉の名所として知られる山
  • 和歌や百人一首の趣も重なり、紅葉の茶席にふさわしい

初紅葉(はつもみじ)

  • その年初めて色づき始めた紅葉を表す銘
  • 秋の深まりを待つ心や、季節の移り始めを感じさせる

山紅葉(やまもみじ)

  • 山々を染める紅葉を表す銘
  • 晩秋の華やかさと、自然の奥行きを茶席に添える

木守(きまもり)

  • 来年の実りを願い、木に一つだけ残しておく果実を指す
  • 収穫への感謝と、次の季節への祈りを込められる銘

秋の暮(あきのくれ)

  • 秋の夕暮れ、または秋の終わりを表す言葉
  • もの寂しさと美しさが重なる、晩秋の茶席に合う

末枯(うらがれ)

  • 草木の葉先や枝先から枯れていく様子
  • 冬へ向かう前の、繊細な秋の名残を表せる銘