茶の備忘録
11月に使える茶杓の銘
11月に使える茶杓の銘の一覧です。立冬、小雪、炉開き、口切、紅葉、初時雨など晩秋から初冬の茶席にご活用ください。
11月は、茶の湯では炉開きが行われる大切な節目です。秋の名残を残しながら立冬、小雪を迎え、紅葉の華やかさと初冬の静けさが重なるため、茶杓の銘にも新しい火、紅葉、時雨、冬支度を思わせる言葉がよく合います。
二十四節気から生まれる銘
立冬(りっとう)
- 暦の上で冬が始まる頃
- 秋の名残と冬の気配が交差し、炉開きや初冬の銘につながる
小雪(しょうせつ)
- 雪がちらほらと舞い始める頃とされる二十四節気
- 初雪、霜、冬木立など、控えめな冬の気配を表す銘に合う
11月の風物詩
炉開き
- 風炉から炉へ切り替え、その年初めて炉を用いる茶の湯の節目
- 11月は茶人の正月とも呼ばれ、口切、開炉、初炉などの銘を選びやすい
晩秋から初冬へ
- 紅葉の盛りから、時雨、木枯し、冬木立へと景色が移る頃
- 錦秋、紅葉狩、山眠るなど、華やかさと静けさの両方を茶席に映せる
11月初旬に使える銘
口切(くちきり)
- 茶壺の封を切り、その年の茶を初めて味わう行事
- 茶の湯の新年らしい、あらたまった気持ちを表す銘
開炉(かいろ)
- 風炉から炉へ移り、炉を開くことを表す銘
- 新しい火を迎える、11月らしい清新な茶席に合う
初炉(はつろ)
- その年に初めて炉を用いること
- 新しい火、新しい湯、新しい心持ちを感じさせる銘
玄猪(げんちょ)
- 旧暦10月の亥の日に、亥の子餅を食べて無病息災を願う行事
- 亥が水に通じるとされ、火を扱う炉開きの時期にもふさわしい
小倉山(おぐらやま)
- 京都・嵯峨の紅葉の名所として知られる山
- 和歌や百人一首の趣も重なり、紅葉の茶席にふさわしい
大原女(おはらめ)
- 京都・大原から柴や薪を運んだ女性たちを表す言葉
- 晩秋から初冬の京都らしい、素朴で静かな風情を添える
錦秋(きんしゅう)
- 紅葉が錦の織物のように美しく広がる様子
- 晩秋の華やかさと深い色合いを表す銘
龍田(たつた)
- 龍田川や竜田山にちなむ、紅葉の名所を思わせる銘
- 古典和歌にも通じる、雅な秋の風情を添える
立田姫(たつたひめ)
- 秋を司る女神とされ、紅葉を染める存在として知られる
- 山々が色づく頃の、華やかで古典的な茶席に合う
紅葉狩(もみじがり)
- 紅葉を見物して楽しむことを表す伝統的な言葉
- 晩秋の山野へ出かける楽しさを茶席に映せる
山の錦(やまのにしき)
- 紅葉に染まった山を、錦の織物にたとえた銘
- 色とりどりの秋山の華やかさを表す
山粧う(やまよそおう)
- 山が紅葉や草木の色づきで美しく装う様子
- 秋が深まり、山全体が錦をまとう景色に合う
11月中旬から下旬に使える銘
初時雨(はつしぐれ)
- 晩秋から初冬にかけて、初めて降る時雨
- 秋の終わりと冬の始まりを静かに告げる銘
木枯し(こがらし)
- 秋の終わりから初冬に吹く、冷たく強い風
- 枯れ葉を舞わせ、冬の訪れを感じさせる
冬木立(ふゆこだち)
- 葉を落とし、枝だけが立つ冬の木々の姿
- 静けさと凛とした佇まいを表す、初冬らしい銘
山眠る(やまねむる)
- 冬の山が静まり返り、眠っているかのように見える様子
- 秋の賑わいが収まり、初冬の落ち着きを感じさせる
冬紅葉(ふゆもみじ)
- 冬に入ってもなお残る、色鮮やかな紅葉を表す銘
- 晩秋の名残と初冬の冷たさが重なる茶席に合う
初霜(はつしも)
- その年初めて降りる霜を表す言葉
- 朝の冷え込みや、冬の訪れを清らかに感じさせる銘
千秋楽(せんしゅうらく)
- 物事の終わりや、一つの区切りをめでたく表す言葉
- 秋の名残を惜しみながら、季節の締めくくりを感じさせる
初氷(はつごおり)
- その年初めて張る氷を表す銘
- 小雪の頃の冷え込みや、初冬の澄んだ空気に合う
深山路(みやまじ)
- 人里を離れた、深い山の道を表す言葉
- 紅葉が薄れ、冬の気配が漂う山中の静けさに合う